行楽の秋。残暑がおさまり、ようやく動きやすい季節になりました。寒さが到来するまでに山登りや渓流釣り、ハイキングなどを楽しみたいと例年、張り切って計画を立てる時期でしょうが、今年は熊が怖い…と、躊躇する声が聞かれます。
東京や埼玉など首都圏に近いエリアでも目撃情報があり、どこも安全とは言い切れない状態ですよね。
相次ぐ人的被害…。しかも、家の敷地内やスーパー、通学途中など、生活県内での被害が今年のニュースの特徴でした。決して、山菜取りや沢登りなど、熊のエリアに人間が出向いたことによる被害だけではないことが分かります。
今年度の熊による死亡者は7人。怪我などの人身被害は69人と過去最高レベルになっています。
原因は熊の食料である魚、主にマスや、どんぐりなどの減少が挙げられますが、他にも熊が人間を恐れない、つまり人馴れしてきてしまっていることや、野生動物管理専門員が不足しており、山へ追い返す対策がしきれていないことなども要因にあります。
さらに、今後ますます熊の個体数は増えていくと予想されており、今以上に熊の食糧難が深刻化していくようです。
地方の山沿いは過疎化や高齢化が進んでおり、マンパワーも足りていません。罠を設置したり、見回りをしたり、駆除するにも人員が足りていないのが現状のようです。
子供の登下校を車で送迎しているなどという保護者の様子もニュースで見かけますが、どの家も送迎ができるわけではないでしょうし、安全には変えられないとは言え、生活に及ぼす影響は計り知れません。
冬眠前になると餌を求め、さらに狂暴化?
日本にいる熊は2種類。四国、本州にいるツキノワグマは基本的に憶病で人間を恐れる性格だと言われています。一方、北海道に生息するヒグマは気性が荒く、ツキノワグマより一回り体も大きく、攻撃性が強いんですね。
どちらも冬眠は11月下旬ごろから4月頃まで。1年の半分は冬眠してるんですね。飲まず食わずで排泄もせず、巣穴のなかで過ごしています。冬眠といっても、省エネモードという感じで、浅い眠りのため、物音などで起きることもあるようです。
メスはその間、出産することもあるとか。巣穴にこもっているため、逆に生まれた後、子熊のことを考えても安全なのだそうです。驚きですよね。
そんな冬眠前後は特に餌を求めて活発になる時期。人間との接触事故も多くなるようです。
餌が安定的に供給される状況だと冬眠もしないようで、市街地で餌が得られるとなると、もしかしたら冬眠しないで冬の間も活動する熊がでてくるのかもしれません。
登山などに行くときは熊避け対策を
このように、熊の冬眠時期が近い今は、最も警戒しなければならない期間であり、さらにこの先も12月だから大丈夫~などとは、ならない可能性もあるということが分かりました。
安心して登山を楽しむなら最低限のグッズや知識が必要でしょう。
- 自分の存在を知らせる鈴
- 行動が少なく休憩中など鈴が鳴らせない時のホイッスル
- クマよけスプレー
個人行動ではなく、その地に詳しい専門家のツアーなどを利用するのも1つですね。
熊避けスプレーに関しては環境省のHPに以下のような記載がありました。
誤射に注意しつつ、いざという時にすぐ使うことができる場所に携帯することが必要になります。咄嗟に使用することは難しいので、事前にトレーニング用スプレーなどで練習することも重要です。
風向きによっては自分に噴射したスプレーがきてしまうこともありますが、躊躇せずスプレーすることが大事とのことでした。一発本番とはいかないので、練習してからアウトドアへ携行していきたいですね。


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