そろそろ来年度からの仕事復帰を考え、園見学にあちこち行かれている方も多い季節ですよね。
最近は保育士の虐待や不適切保育のニュースも目にするようになり、大切なお子様をどの保育園に入園させるべきか、非常に頭を悩ませているかと思います。
就学前まで見てもらえる保育園に希望を出したいけど、小さいうちは家の近くで、手厚く見てもらえる小規模園のほうがいいのかしら、などと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
あちこち園内見学も行ってるけど、結局大きな違いが分からないとおっしゃる方もいます。
そこで、見学に行ったら必ず聞いてみたい質問、見るべきポイントをまとめてみました。一緒にご確認ください。
1.職員の人数、資格の有無
2.子供たちの姿
3.園内の清潔さ、快適さ
4.お散歩の頻度
5.避難場所
6.保育方針
7.給食室の有無、内容、アレルギー対応
8.怪我や病気の対応、看護師の有無
9.保育士の年齢層
10、アプリ対応などデジタル機器の導入について
1.職員の人数、資格の有無
職員の配置基準という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
まず園見学に行った際、入園後のイメージがわきやすい0歳児や1歳児のクラスを見せてくれることが多いかと思います。その時に、そのクラスの園児の人数に対し、職員が何人いるか、ざっと数えてみることをお勧めします。
もちろん、オムツ替えなどでその場から見えない位置にいっている保育者も、その時間にたまたまいることも考えられますが、基本的に0歳児なら子供3人につき、保育士1人が国の配置基準となっています。
つまり子供が7人のクラスであれば保育士は3人はいなくてはおかしいですよね。あまりに、少ない保育者しかその場にいないとしたら、少し質問しても良いかと思います。
そして、質問できるなら「ここにいる方は全員、保育士資格を持っている方々でしょうか」と聞いてみてください。
園により、全員、有資格者で揃えているところと、無資格者を多く配置しているところがあります。
朝夕など保育士の人数が確保しづらい時間帯など、特例はありますが子供3人につき職員1人という基準は絶対なので、できれば有資格者が多い園のほうが保育の質が高いことは言うまでもないですよね。
昨今、保育園は高齢の方が多く活躍する場ともなっています。雑務だけでなく保育補助という役割でそこにいるとすれば、しっかり保育職員としてカウントされていることもあるでしょう。
若ければ良い、高齢だから不安という観点ではなく、そのバランスや資格の有無については知っておくべきかと思います。
無資格でも長く働いていたり、優しくて子供好きだからなどと安心材料がある場合も多々あります。ただ、しっかり志をもって、保育の専門知識を学んできた人という信頼が保育資格保持者にはありますよね。
その園のことを何も知らない見学段階では、そこが1つの判断材料にはなるでしょう。
2.子供たちの姿
その園にいる子供たちの姿は嘘偽りないものになります。明らかに最初に見た園の子たちより、元気がないな、はつらつさに欠けるな、泣いている子が多いな、と見てとれたらそれは何かしらの原因があるとも考えられます。
保育の活動内容かもしれないですし、給食内容や、他の原因があるかもしれません。子供たちが元気いっぱいで、挨拶がよくできたり、生き生きと活動している園は、魅力的ですよね。
英語や体操など特別なことをやっています、という部分ではなく、日々の子供の姿が一番大切です。どうぞ、しっかり見てほしいと思います。
3.園内の清潔さ、快適さ
これは当たり前、と思うかもしれませんが、細部を見てみると違いがくっきり出ている部分です。まず、園見学に行った際に、すごくエアコンの効きが悪いとか、逆にキンキンに冷え過ぎて肌寒いとかは良くあることです。
基本的に老舗保育園など歴史がある保育園は設備が古くなっています。今年のような猛暑にエアコンなどが堪え切れていないケースもあるでしょう。
ですが、大切なお子様が毎日過ごす場所です。快適な空間が保たれているかは見学でわかると思いますので、しっかり確認しましょう。清潔さに関しても、古くて歴史のある園でもしっかり清掃が行き届いている施設もあれば、新しい園舎でも、埃がたまっていたり、書類などが山積みになっている施設があります。
清掃が行き届いているということは、それだけ人の手に余裕があったり、しっかり施設内が管理されているという証になります。
4.お散歩の頻度
お散歩の頻度なんて、多いほうがいいですよね、と仰る方もいます。
しかし、それは安全が保たれてこその話であり、前述の配置基準などがしっかり有資格者で保たれている場合にはそうだと思います。
しかし、広い園庭があれば毎日散歩に行くこともないでしょうし、逆に園庭がないような小規模園だと、毎日行くのかもしれませんが、頻度が多いだけに日頃からリスクヘッジがしっかりできているのかもしれません。
そこは、園のマニュアルなどにも家庭の考え方にもよりますが、ひとつ言えることは、園の外に一歩出るということは、それなりに危険が増すということです。
管理区域外ですので、交通ルールを守らない車や、不審者や、公園などにもタバコの吸い殻が落ちているなどのことも十分あり得ますよね。
園庭にタバコは落ちていませんが、公園には危険物もあり、すべてを取り除いて遊ばせることは難しいと思います。
さらに、お散歩先ではトイレなどがない場所も多いでしょうから、トイレトレーニング中など、パンツで過ごせる年齢になっても、オムツを履いて散歩に行くことになってしまったりも考えられます。
ですので、散歩に頻繁に行くという回答があれば、そのルートなども知っておくと良いかもしれません。保護者の観点からして、こんな危ない道を毎日通るなら、ここの園はやめよう、などと入園の判断基準にもなる大事なポイントになります。
時折、すごい交通量の道をベビーカートを押して歩いてる園さんを見かけたりもしますよね。その園により方針は違いますので、しっかり把握しておきたいところです。
ただ、散歩自体は、園では見られない自然物を発見したり、季節を感じる体験ができて、子供たちの感性を磨く貴重な体験になります。
ですから、全く行かないという回答を望むのではなく、しっかりとした安全対策をした上で、どのくらいの頻度で行っているのかがチェックポイントになります。
5.避難場所
これも4に付随する部分ですが、地震や火災、浸水土砂などが起きた時に、園庭に避難できるのかは大きなポイントになるかと思います。
もし、園庭がなかったりするのであれば、どこが避難場所になるのか、そのルートも知っておきたいですよね。
子供が保育園にいる時間は大人が仕事をする時間より長いです。日中のほとんどの時間を過ごすことになりますので、災害時のことは確認しておいたほうが良いでしょう。
6.保育方針
これはほとんどの方が気にしていない部分かもしれませんが、実は大事です。その園が大切にしていることは、他と大きな違いなんてないだろうと思うかもしれませんが、案外あります。
まず一番最初に掲げているものは、その園が最も大切に思って運営している部分になりますので、そこか~?とピンとこないようであれば、あなたの子育て価値観には合わないかもしれません。
保育方針とは、その園の理念であり目標であります。具体的にどんな子に育ってほしいか方向性を示すものですので、人格形成にも大きな影響を与える部分です。家庭の方針と是非照らし合わせてみてほしいです。
7.給食室の有無、内容、アレルギー対応
給食室が無い施設もありますよね。小規模では食に力を入れている園と、逆に給食は外部委託しているところも多いでしょう。
子供がグンと育つ乳幼児期の栄養はとっても大切ですので、どちらにせよ、どのような内容になっているのかは知っておきたい部分です。
仕事と家事の両立で、朝夕の家での食事や栄養に気を配れない日もあるかと思います。日中、しっかりとバランスの取れた食事で栄養が取れていると思うと安心ですよね。
さらに、園内に給食室がある園だと、栄養士さんなども在中しており、子供の栄養面での相談などもしやすいかもしれません。食の悩みというものは、偏食、小食、過食など、案外多岐にわたるものです。
アレルギーの不安がある家庭は、どこまで対応してもらえるのか、例えばアレルギー食材の除去のみなのか、代替えがあるのか、などを事前に確認しておきましょう。
8.怪我や病気の対応、看護師の有無
日中、子供が保育園で怪我もせず6年間過ごすことはまずないでしょう。
大なり小なり、子供に怪我はつきものですよね。その時、応急処置ができる看護師が在中しているのか、どのような対応なのかは聞いておくべきでしょう。
看護師が在中している場合は、発達面などの発見、相談もしやすく、病気の際や発疹が出た場合なども専門的な目で見てもらえて安心ですね。
9.保育士の年齢層
保育士の処遇改善を求める声が全国で上がっています。保育士による虐待など耳を疑う事件は、保育者の余裕の無さ、待遇などの問題が背景にあることは想像に難しくありません。
入職してもすぐに辞めてしまうような園は、若い保育者がうまく育成されていないことになり、ベテラン揃いになるでしょう。
逆に若い保育士ばかりの園は、長くその園で働く人がおらず、みんな辞めていってしまっているかもしれません。あらゆる年代の保育者がいる園は、みんなにとって働きやすい環境であり、風通しが良さそうですね。
10、アプリ対応などデジタル機器の導入について
例えば、登降園の時間を記すものがタイムカードのようなデジタルなものなのか、もしくは手書きなのか。欠席連絡などもアプリでできるのか。お便り、また日中の活動の様子を写真ですぐに閲覧できるシステムなどがある園もありますよね。
そこは、毎日のことであり、保育の延長料金などにも関わることなので、きっちりしている園のほうが、良いかもしれないですね。小さい子をもつ世代のママさんたちには、デジタルのほうが慣れている面もあります。
HPなどを確認すると事前にある程度、把握できるかもしれません。
あらゆることに最新である必要はないかもしれませんが、今の時代背景にマッチしたデジタル促進ができている園は、他の面でも古い体質にこだわらない保育体質がありそうです。
まとめ
以上、10のことを現役保育士さんにインタビューし、まとめてみました。オムツをサブスクにしてもらえたり、いろいろな保護者サービスがある園もあり、そういったことを中心に園選びをされる方も多いかもしれません。
ですが、一番大切なことは子どもが毎日笑顔でいることや、安心して預けられることですよね。家からのアクセスや、開園時間などなど、他にもチェック項目は多々ありますが、以上のことも是非、参考にしていただけると幸いです。


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